
「アンタッチャブル」と言う映画はその昔、ロバートスタック演じるエリオット・ネス隊長率いる禁酒法を取り締まる為の捜査官とキャングのボス「アル・カポネ」との闘いの物語だ。このリメーク版をケビン・コスナーが演じていた。
「アンタッチャブル」とは名前のごとく「手を出すな」と言う意味になる。
1917年、アメリカ連邦議会は禁酒を規定した憲法第18修正を可決、1920年1月17日より、全面的な禁酒が決まってしまいました。これがボルステッド法と呼ばれるもので、以後約14年間にわたって暗黒の時代が続く。
不思議なことにこの法律は、酒の醸造・販売・運搬・輸出入を禁止しただけで、飲酒自体は認めていました。つまり、家で飲むのはいいけれど、バーでは飲めないというわけ。違反者は初犯でも罰金1000ドル、禁固6ヶ月という大重罪だったのだ。
しかしこんな法律、誰も守るわけがなく、世の中には密造酒と密輸酒があふれました。禁酒法施行前、ニューヨークには15.000しかバーがなかったのが、禁酒時代には32.000もの闇バーがあふれたと言う。
仕切ってたのはアル・カポネをはじめとするギャング連中で、これによりアメリカのアングラ社会が確立してしまった。ギャングは儲けた金で警察や裁判官を買収、アメリカ社会は汚職にまみれたのだ。
いずれにせよ、庶民は、当局から酒を隠すのに四苦八苦。
酒瓶を本棚に隠したり、卵の中身を酒に代えたり、酒を詰めたホースを腹に巻いて妊婦に化けたりと、涙なくしては語れない。
結局、税収の落ち込みに耐えかね、1933年に禁酒条項を無効とする憲法第21修正が採択され、12月5日、ついに禁酒法は抹殺された。
撤廃までに売られた酒は53億リットルと推測される。儲けたのはカナダの酒造メーカーとギャングだけ、そして悪酒で2000人近い死者や失明者が出たと言う。
今思えばバカな法律を制定したものだと思う。
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