












井筒信一 プロフィール
1936年 長野生まれ。木地師の父のもとで修行、20歳でヴァイオリン制作者の道へ。
ひたすら木を削る。長野県松本に工房をかまえるヴァイオリン職人、井筒信一。ヴァイオ
リンの音の善し悪しは、板の微妙な膨らみとその厚さで決まると言う。ヴァイオリンが生
まれたのは16世紀のイタリア。今でも、一流の演奏家が日本人の作ったヴァイオリンを
使うことはほとんどない。ところが、天才ヴァイオリニスト五嶋龍のデビューコンサートで、
井筒さんのヴァイオリンに白羽の矢がたった。
ヴァイオリン製作に使う木は、100年近く乾燥させたヨーロッパのカエデとマツ、というの
がセオリー。
日本人の職人として誇りをもつなら、日本の木を使ったっていいじゃないか。素材の木に
人一倍こだわる井筒さんは、今、北海道のカエデとマツに挑戦している。井筒さんにとって
最も大切な製作過程。寸法にたよらず、木を叩いて、その音で最終的な曲線と厚みを決め
てゆく、タッピングという技。いつも素材の木と語り合う日々だ。
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