
ハワイのオハフ島にあるダイヤモンドヘットは約30万年前に火山の噴火でできた山とされる。未だに火山活動が続いているハワイ島のキラウエア火山などもあるが、ダイヤモンドヘッドの噴火は30万年前に起こったきりでダイヤモンドヘッドは死火山の外輪山なのだ。火山というだけに、中心部分のクレーターはくぼんでいて外側の外輪山は結構高さがある。その外輪山の一番高い部分が標高232mのダイヤモンドヘッド・トレイルの山頂になっている。
これらの噴火跡のうち、もっとも古い噴火は400万年近くも前のものであるが、新しい熔岩を流した火口のひとつはわずか5000年ほどしか経っていないと言う。オアフ島ではまたいつ火山活動があってもおかしくないということなのか。ただし、いきなり噴火が起きることはない。
そのことから別名「マグロの額」と呼ばれている。
さて、ダイヤモンドヘッドはどのようにして出現したのか? それは上空からこの火山を見るとよくわかように、ほぼ真円に近いクレーターは、均等な力が働いて山頂を吹き飛ばしたことを物語っている。噴火は海岸近くで起きたため、顔を現したマグマは激しく海水と接触して水蒸気爆発を起こした。200メートルほどしかない高さに対して、火口の直径が1キロメートルもあるのはそのせいなのかもしれない。
この火山では不思議なことが起きた。爆発のときに降り積もった火山灰は雨や風ですぐに浸食される。最初にできた渓の部分は、土砂の流入などで圧縮されて地盤が安定しているが、尾根の部分は周辺を削り取られただけだからとても不安定だったのだ。やがてこの尾根の部分が削り取られていって、ついには最初の渓部分よりも低くなり、尾根と渓が逆転してしまったと言う訳だ。山は動かないものというイメージがずいぶん変わっていることがわかる。
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