












ここでもう一度フラの歴史を学んでおこう。
世界一美しい踊りと言われるフラ。現在のフラの源流は、1000年前近くからあったと
言われる古代フラで、更に、この原点はマルケサス、タヒチ、トンガ、サモア等ポリネシア
各地の踊りと共通の起源を持つものと考えられており、これらがハワイに入りハワイの自然
観や宗教観の強い影響を受け、ハワイのフラとして独自に育った言われている。
ハワイの伝説・神話によれば、フラを最初に踊ったのはタヒチの酋長の「ラア」とも言われて
おり、また別の言い伝えでは、ラカ(ペレの妹でフラの女神と言われている)が、さらに、
ヒイアカ(同じくペレの妹)が半神のホーポエ(ヒイアカの親友・オヒアレフアの森の精)
から教わり踊ったのが起源とも言われている。いずれにしても、神々への礼拝の宗教儀式の際
に奉納されたもので、いわゆる古代のフラであった。このなかには限られた男性だけしか踊る
ことが許されないものもあった。
ハワイの島々は昔、文字がなく、口から口への言い伝え(オーラル トラディショナル)により
後世にいろいろの出来事を伝えた。その大きな手段が オリ(Oli 祈り・詩詠、一般的にチャント
とも言う)、メレ(Mele 踊りを伴う歌)であり、 フラ(踊り)であつた。神聖な自然に対する
信仰がハワイ文化の根底をなしており、多くの宗教的意味を持ち、自然をたたえ、神々に畏敬を捧げ、
美しい星、大きな海、綺麗な花になって踊った。また、男も女も求愛の踊りを踊った。
この古代フラの流れを受け継いできたのが、現在、古典フラと呼ばれるカヒコ(Kahiko)で、
チャンターが唱えるチャントと打楽器のリズムに合わせて踊るもので、ハワイの自然、神々、
王や酋長への賛歌である。
一方、日本で一般的にフラと呼んでいるのは、現代フラ(アウアナ='Auana)で、19世紀後半の
カラカウア王政以降に登場、ウクレレやギターの伴奏を従えた新しいスタイルのハワイアン
ミュージックに合わせ踊るものである。更に、観光的要素も加わり、ハワイ州をあげて力を入れて
おり、今では主流になっている。
従って、カヒコとアウアナでは、歴史の違いによるものが大きく、歌も踊りも歴然と異なっているが、
元々のカヒコの詩にアウアナのメロディーを乗せて現代風にアレンジしたものも多い。
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