









舘野 泉(たての いずみ、1936年生まれの73歳)は、東京生まれのピアニスト。
父は武蔵野音楽学校出身。母は明治維新まで7代にわたって仙台藩の能楽を司って
いた家系の出。戦災を避けて栃木県間中に一家で疎開し、そこで敗戦を迎える。
慶應義塾普通部から慶應義塾高等学校を経て東京藝術大学卒業。
1964年よりヘルシンキに在住し、シベリウスをはじめ、マデトヤ、ラウタヴァーラ、
カスキ、メラルティン、コッコネン、ノルドグレンなど、フィンランドの近現代作曲家
の作品に取り組み続けている。日本シベリウス協会会長。
また、若い頃からセヴラックに惹かれ、自身のレパートリーに組み入れている。
2002年には日本セヴラック協会を作り、顧問を務めている。
1968年、メシアン・コンクールで第2位。同年より国立シベリウス・アカデミーの
教授を務めたが、1981年以来フィンランド政府より芸術家年金を与えられ、以降教職を
退いて演奏活動に専念している。
2002年、フィンランド・タンペレでのリサイタル中に脳溢血で倒れ、その後遺症と
して右半身に麻痺が残る。リハビリを経ても右手が不自由のままであったが、2003
年8月のオウルンサロ音楽祭で復帰を果たす。その中でスクリャービンやリパッティによる、
左手のためのピアノ作品を演奏した。それをきっかけに、本格的にこの分野を開拓して
いこうと決意。翌年には日本で、左手のピアノ作品によるリサイタルを開き、マスコミにも
大きくとりあげられた。以後、演奏会、録音ならびに新作委嘱などを通して、左手ピアノ曲
の普及につとめている。
妻のマリア・ホロパイネンはフィンランド人でソプラノ歌手。息子のヤンネ舘野はヴァイオ
リニスト。弟の舘野英司はチェリスト。妹の鍋島晶子はヴァイオリニスト。晶子の長女の
鍋島真理は音楽学者。
スポンサーサイト